【まとめ(4)】福島第一原発の状況

3/21 14:45時点
2日近く更新できていなくてすいません..
今までこのブログでは主に「発電所内の現状」「今後予想される事象」「対策の進行状況」をお伝えしてきました.
当初は発電所で何が起きているのかについての情報が錯綜しており,報道を見ているだけではまとまった情報が得られないのでは?と思って書き始めましたが,ここ数日は炉内の状況も良くはないとはいえ,安定してきています.
むしろ新たに問題となってきているのは,周囲へ放出されたごく微量の放射性物質の影響(特に人体への影響)がわかりにくい(本当に影響ないのか?どんな対策をすればいいのか?)ということだと思うので,今後は可能な限りそういった情報も盛り込めるようにしたいと思います.
しばらく十分な情報収集ができない可能性が高いので,中途半端なエントリが続くかもしれませんがご了承ください.


【情報源】
前回のエントリでも触れたが,このブログの記事を書くにあたって追っている情報源は主に以下の3つ.
 ・官房長官会見         http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/index.html
 ・原子力安全・保安院 緊急情報 http://kinkyu.nisa.go.jp
 ・東電 プレスリリース     http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/press_f1/2010/2010-j.html


 これらの1次情報を追うだけでも,かなり状況はつかめる
 2次情報としては少なくともNHKは信頼していいと思う
 NHK福島第一関連ニュース http://www3.nhk.or.jp/news/genpatsu-fukushima/index.html


発電所内の状況】
 ・外部電源について
  −電源は,2基ずつ融通できる仕組み(1・2号,3・4号,5・6号)
  −復旧した場合,以下の順序で外部電源が利用される模様
    1.所内の照明(安全かつ効率よく作業するため)
    2.中央制御室の計器(炉内の状況を詳細に把握.現在は炉圧など最低限の計測器を非常用バッテリで稼働)
    3.原子炉内の冷却系(ECCSなど)
    4.使用済み燃料プールの冷却系
  −それぞれの進捗
    (1・2号)接続完了.復旧に向けて機器の状態を調べる段階.
    (3・4号)接続作業中.
    (5・6号)接続完了.復旧に向けて機器の状態を調べる段階.冷温停止したので他に比べて緊急度は低い.
 ・炉内について
  −海水冷却を継続
  −電源接続によって機器が復旧すれば,より安定的・効率的に冷却が可能
 ・使用済み燃料プール
  −3・4号に対して,自衛隊ハイパーレスキューが放水
  −特にハイパーレスキュー無人での放水の仕組みをつくり,大量放水を可能にした
  −周辺の放射線強度が低下.一定の効果が出てきている.
  −建屋が健在な2号は,外部からの放水が難しいため,若干懸念あり
 ・5・6号
  −6号の非常用ディーゼルを用いた冷却により,"冷温停止"状態に
  −1〜4号のような状態にはならずに済んだ


 放水がうまくいっている,5・6号が冷温停止した,のは朗報
 外部電源の復旧がうまくいってくれれば,状況を改善できる可能性が高くなる(まだ楽観視はできないが)
 

放射線や被ばくに関すること】
 ・東大医学部放射線治療専門チーム(中川恵一准教授)
   Web: http://www.u-tokyo-rad.jp/2011/03/17104924.html
   twitter: @team_nakagawa
 ・放射線医科学研究所
   Web:    http://www.nirs.go.jp/index.shtml 
   基礎知識1: http://www.nirs.go.jp/information/info.php?i3
   基礎知識2: http://www.nirs.go.jp/information/info.php?i4
   基礎知識3: http://www.nirs.go.jp/information/info.php?i6


 政府の発表で「直ちに健康に影響は出ないレベル」という表現が続いており,発表に疑問を抱いている方が多い?
 しかし上記のサイトを見るとわかる通り,事実そうとしか言いようのない状態
 特に医学的・科学的根拠のない情報の影響で被災地域に物資が届かないというような事態は防がないといけない